『ホームワーク』の概要
| 原題/英題 | Homework |
| 製作年 | 1989 |
| 製作国 | 日本 |
| 監督 | アッバス・キアロスタミ |
| 時間 | 77分 |
| 配給 | ユーロスペース |
自分の子供の宿題を見るなかで、イランの子どもが宿題に追われ続けていると感じた監督が小学校の自動やその親に「宿題」についてインタビューをしていくドキュメンタリー。
『ホームワーク』の予告編
この映画で知ることができること
- 1980年代のイランの子どもたちの宿題事情(異常に多い)
- このころのイランの子どもがよく観ていたアニメはピノキオ
- アニメ鑑賞よりも宿題をすることが好きだと言う子が多い
- 終戦間際に撮影されており、戦争について強く影響を受けた子もいる(フセインを倒すためにパイロットになると言う子も)
- 海外生活の経験があり、イランの教育方法に疑問を持つ親もいる
- 親、兄弟、教師からの体罰が常態化しており、それを受け入れている(キズがある子がちらほら)
- 教育上、「罰」の概念が優位で褒められる事自体を知らない子が多い
この映画の背景
- 脚本もなく、劇映画かどうかも決めず、とりあえず撮り始めた(と冒頭語られる)。
- 子どもたちへのインタビュアーはアッバス・キアロスタミ監督自身が務めている。
- イスラム革命(1979)とイラン・イラク戦争(1980−1988)の影響が強い時期に撮られている
- 上の世代(親や兄・姉など)に宿題を見てもらう子が多い中、上記の時期の教育方法変更により、それぞれが教えられた内容に齟齬があり、問題となっている
- そもそも親の世代の識字率が低い(子どもが教えている、という話もでてくる)
『ホームワーク』の感想
子どもたちはインタビュー中にとても子どもらしい瑞々しい表情をみせるのだが、しかしどうにも抑圧されていると感じてしまった。上に書いた通り、どうやら「恐怖」を元にした教育が横行していたようである。
ひとまず「良い答え」らしきものを話す児童の本音を丁寧に紐解いていく質問を繰り返していき、「教育」にとどまらず当時のイランが抱えていた「家庭」・「国家」・「戦争」・「権威」へテーマを広げて問題を見据える眼差しがうかがえる。

筆者
夢を聞かれパイロットと答えた少年のその理由が過激だったの結構ビビったわ
また観ていて気になったのは児童が全員男の子だったことである。どうやら革命後のイランでは小学校を含め男女別学が原則だったそうだ。撮影もテヘランの男子小学校で行われている。女子小学校で撮らなかったのは、当時の倫理観などもあったのだろうか?といったことも気になるところ。
インタビューを極端に恐れる少年へのインタビューのラストは、なかなかハッとするものがあった。
また余談だが、昨年観た「ユニバーサルランゲージ」という好きな映画を思い出したりした。公用語のひとつがペルシャ語になったもしものカナダを舞台にした映画であり、イランルーツの俳優がたくさん出ていた。その作品にイランルーツの子ども大勢いたのである。

