『手に魂を込め、歩いてみれば』の概要
| 原題 | Put Your Soul on Your Hand and Walk |
| 製作年 | 2025 |
| 製作国 | フランス、パレスチナ、イラン |
| 監督 | セピデ・ファルシ |
| 時間 | 113分 |
| 配給 | ユナイテッドピープル |
パリに亡命中のイラン人映画監督セピデ・ファルシがガザで暮らすパレスチナ人のフォトジャーナリストであるファトマ・ハッスーナとスマホでのビデオ通話を2024年4月から1年にわたり毎日のように続けた、交流の記録である。
『手に魂を込め、歩いてみれば』の予告編
この映画で知ることができること
- 2023年10月7日以後の、ガザがおかれている非情に過酷な状況
- ガザのフォトジャーナリスト、ファトマ・ハッスーナの存在
- ファトマの撮影した写真や動画を通した、ガザの状況とそこで暮らしている人の様子
- イスラエルが長期にわたりジェノサイを続けていること
この映画の背景
封鎖されたガザへ入ることが叶わなかったセピデ・ファルシ監督はパレスチナ人の友人を介してファトマと出会った。
ファトマはカンヌ国際映画祭の選考結果を聞いて大喜びし、その翌日である2025年4月16日未明、イスラエル軍の空爆を受け命を落とした。
『手に魂を込め、歩いてみれば』の感想
ほとんどスマホの通話画面で構成されている映画である。ぎりぎりの通信状況から伝わるのは、虐殺の標的となってしまった故郷でそれでも笑顔を絶やさないファトマの強さと、徐々に浮き上がってくる彼女の疲れや哀しみであった。それでも写真を撮り続けたファトマの写真はその状況でもたくましく生きる人々を美しく写し出している。とぎれとぎれにもなるスマホの通話映像は、品質で言えば当然スクリーンに耐えうるものではないのだが、そんなことはまったく関係なく突きつけられる現実にはどうしようもなく心揺さぶられてしまった。
「もし私が死ぬなら、響き渡る死を望む」と彼女は言ったが、前途のある若い女性がそのように考えざるを得ないほど苛烈な環境に追い込んだジェノサイドが許されるわけがない。2026/2時点で7万5千人以上の人がガザにて亡くなり、そのあまりの多さに麻痺してしまいそうになるが、この「数字」にされてしまったひとりひとりにそれぞれの生活があったのだということを忘れてはならない。

筆者
交流の幕切れがあまりにやりきれないよ…
忘れがたい作品である。


