『父と家族とわたしのこと』の概要
| 原題/英題 | 父と家族とわたしのこと |
| 製作年 | 2026 |
| 製作国 | 日本 |
| 監督 | 島田陽磨 |
| 時間 | 127分 |
| 配給 | 日本電波ニュース社 |
戦争によるトラウマとそこからくる暴力の連鎖と向き合うドキュメンタリー。
父から苛烈な虐待を受け、そして後に自分の娘にも暴力を振るってしまった女性。母親へと罵声を浴びせた父の声に苛まれ続け、結婚相手への暴力につながってしまった男性。新興宗教にのめり込んだ母からの虐待により複雑性PTSDを発症し、娘との関係に悩む女性。3人の苦悩の発端には、80年前の戦争があった。それぞれの形で親の生きた足跡をたどるこども・孫を追った作品である。
『父と家族とわたしのこと』の予告編
この映画で知ることができること
- 日本社会には戦後80年を経てなお戦争の傷跡(=戦争によるPTSDに端を発する家庭の崩壊)が厳然としてあること
この映画の背景
第二次世界大戦に参加した日本兵約800万人のうち、170〜400万人がPTSDに罹患したとされる(「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」代表の黒井秋夫氏による推計)。
日本政府は、PTSDとなった復員兵のケアを実質家庭に丸投げした形であった。それらがDVやアルコールへの依存、貧困、家庭崩壊へとつながり、第二世代・第三世代へと負の連鎖が続いている。
『父と家族とわたしのこと』の感想
80年前の戦争の影響が今の日本で現在進行系で悲劇を生んでいるということに驚くとともに、底しれない戦争の悲惨さを感じずにはいられなかった。
映画では復員兵を父や祖父にもつ三名の方々について過去の辛い記憶を振り返りつつ、前に進むべく父や祖父についてその歩みを改めて知っていく、という構成になっている。戦争という形で加害させられた兵が、人知れず被害者として崩れていく悲惨さたるや。各々のエピソードはとても過酷で、今尚生きづらさが拭えず苦しみが続く様子は観ていてもつらいものがある。もしかしたら日本に蔓延する生きづらさの多くの遠因が先の戦争なのかもしれないとすら思ってしまう。
日本という国がこのPTSD由来の諸問題を解決するどころか、いままであまり語られてすら来ず認識もされていない状態で放置しているのは由々しき事態であるし、ましてやこれから改憲して戦争する国に向かうことは決して許されないとも再認識した次第である。

多くの人に観てほしい…!

