『ハワの手習い』を観た!【学びこそ望み、滅べ家父長制】

ドキュメンタリー映画『ハワの手習い』の感想、あらすじ

『ハワの手習い』の概要

原題/英題Writing Hawa
製作年2024
製作国フランス、オランダ、カタール、アフガニスタン
監督ナジーバ・ヌーリ、ラスール・ヌーリ
時間85分
配給東風

アフガニスタンのジャーナリストでもあるナバージ・ヌーリ監督のドキュメンタリー。13歳の頃に30歳年上の父と結婚させられた監督の母ハワは孫に教えてもらいつつ文字を学び、ささやかな夢に向かって歩みだす。監督の姉の離婚した旦那との娘でありハワの孫であるザハラーがある日急に親元から逃げてきてハワは引き取ることに。そんななかタリバンによる襲撃と占領が進み…、という話。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2025にて市民賞を受賞した作品である。

『ハワの手習い』の予告編

この映画で知ることができること

  • アフガニスタンは現在世界で唯一女性の教育の権利がない国である。
  • 社会に根強くある家父長制、児童婚、タリバンによる暴力や強制的な婚姻など、女性への抑圧が数多く存在する。

この映画の背景

  • 2020年に米国とタリバンの和解のためのドーハ合意が締結された
  • 2021年にタリバン暫定政権の発足、米軍のアフガニスタン完全撤退。8月15日にアフガニスタン大統領が国外逃亡し、全女性が命の危険にさらされてしまった
  • ハワは13歳で30歳上の夫と結婚させられ、現在は認知症の夫を世話している
  • 父には幼いころに教育から遠ざけられ、母親からも出産について助言が得られず6人の子を生んだ
  • ハワは娘には同じ道を歩んでほしくないと、全力で教育の機会を与え、ナジーバはジャーナリストとして自立できた
  • 1995年生まれのナジーバは6歳の頃にアフガニスタン・イスラーム共和国暫定政権が発足しており、女性が教育を受けられるようになったタイミングであった

『ハワの手習い』の感想

アフガニスタンの女性の人権がここまで蔑ろにされていることに戦慄した。

30歳も上の夫はもはや認知症を患い、ときにハワにひどいことも言うし、ハワが家を離れることを極端に嫌がる。ハワの幼馴染で同じく児童婚をさせられた女性は重荷だった夫が死んだことに安堵していた。児童婚がいまなおあるアフガニスタンにはこんな家庭が多いのだろうと想像し、犠牲になった女性たちにあり得た多くの可能性を想わずにはいられない。

商売と文字の学習を始めたハワは活気づき、笑顔をみせるようになっていく。またハワのもとに逃げ込んだ孫ザハラーも、ハワとの生活のなかで着飾ったり、ともに学び、ティーンらしい笑顔を取り戻していった。だれしも当たり前にそれぞれの人生があり、色んな可能性があるのだ。

勉強仲間にもなった二人の交流に気持ちが暖かくなったのもつかの間、タリバンの侵攻によりザハラーは都市部に「いる」こと自体が危険な状態になり、ナジーバもハワに挨拶もできぬままに国外脱出することになってしまう。

ハワが発した「学のないクソ男どもめ」ということばに込められた怒りが忘れられない。

筆者
筆者

家父長制滅びろ!

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