『9月のアル・ラシード通り』の概要
| 原題/英題 | 9月のアル・ラシード通り |
| 製作年 | 2026 |
| 製作国 | パレスチナ、日本 |
| 監督 | ムハンマド・サウワーフ |
| 時間 | 67分 |
| 配給 | アップリンク |
アレフ・マルチメディアとアップリンクの共同プロジェクトとして製作されているドキュメンタリー映画シリーズ「ガザからの声」の第3弾となる作品。2025年9月から停戦後の10月、11月にかけてアル・ラシード通りを通って避難するガザの人々の生活を映し出す。
以下の公式サイトから配信もされているので是非観てみていただきたい。
『9月のアル・ラシード通り』の予告編
この映画で知ることができること
- 2025年9月のアル・ラシード通りの避難の様子
- 過酷な状況に置かれながらも逞しく生きるガザの住民の様子
この映画の背景
- ガザに生きる人々の声を伝えることを目的としたドキュメンタリー映画シリーズ『ガザからの声』の第3作目となる
- 2023年10月からおよそ2年にわたるジェノサイドにより、ガザの街並みは灰色の瓦礫地帯と化している
- 2025年9月にイスラエル軍は空から撒かれたビラなどを通じて、ガザ市北部の住民に対し避難命令を発した
- これにより海沿いのアル・ラシード通りを通って、南部のアル・マワシまで大勢のガザ住民が避難を余儀なくされた
- アル・ラシード通りは、ガザの海岸沿いに走る主要道路である
『9月のアル・ラシード通り』の感想
パレスチナに関する映像作品に触れるたびに怒りと悔しさに打ちひしがれる。
絶え間ない破壊や人為的な飢餓状態といった虐殺を受け続けるというあまりに非道で過酷な状況に置かれながらも、パレスチナの人々は必死に生きている。この映画ではそんな人々のたくましい営みの一端を知ることができる。
2025年9月、避難路となったアル・ラシード通りは北から南へと逃げる人々でごった返していた。荷物がものすごい量乗ったトラックや、タイヤが凹みまくった車、馬車、徒歩の人々が着の身着のまま移動している。そんななかで、ある少年は「空爆で持ち物をすべて失った」と言いながら、ビニール袋に入れた水を少しずつ飲みながら歩き続けていた。またある家族は道を少しそれた場所で子どもたちとテントを張り出す一家がいたり、火を起こす材料としてまさにその辺になんとなく埋まっているプラスチックや廃材をかき集めている人がいたりする。

ほんとはプラスチックで起こした火って人体に影響ありそうだよな…でも今を生きるためにそうしているんだ
映画のなかで特に目につくのは子どもたちがどんなときでも手伝いをしている様子である。
ガザの人口ピラミッドはキレイに末広がりになっており、ジェノサイド下にありながらも多くの子どもが生まれているそうだ。下記のデジタルパンフレットにも記載があるが、停戦後の3ヶ月間で1万7千人の子どもが誕生しており、監督によればいまのガザで盛んな仕事のひとつが結婚式場の設営とのこと。この地で生き続けるという、パレスチナの人々の不屈の精神を感じる作品である。
こちらのデジタルパンフレットには監督からの2026年7月時点のレポートや、『壁の外側と内側』を監督した川上泰徳氏の寄稿文などが掲載されているので併せて読んでほしい。





