『ホールディング・リアット』を観た!【イスラエル人の視点もいろいろ】

ドキュメンタリー映画『ホールディング・リアット』の感想

『ホールディング・リアット』の概要

原題/英題Holding Liat
製作年2025
製作国アメリカ
監督ブランドン・クレーマー
時間97分
配給ユナイテッドピープル

ハマスに拉致された娘を救い出すため奔走するイスラエル在住のユダヤ系アメリカ人家族の必死の行動を追った描いたドキュメンタリー。アメリカ国籍を持つ娘リアットをすく出すため、父イェダフは人質解放を求めてアメリカ政府に働きかける代表団の一員として訪米するのだが、そこで驚くべき事実が明らかになり…。

加害と被害が多層的な視点で映し出される、分断の実態に迫る作品である。

『ホールディング・リアット』の予告編

この映画で知ることができること

  • ハマスの人質となった人と家族を取り巻く政治的な動き(人質や家族がプロパガンダに利用されてしまう…!)
  • 人質の家族や、人質を経験した人の想い

この映画の背景

2023年10月7日イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエル攻撃への報復として、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を開始して以降、ガザ・イスラエル紛争は続き終わりが見えずに多くの人命が失われている(2026年4月時点)。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、自らの裁判を逃れるためにジェノサイドを継続している。

『ホールディング・リアット』の感想

イスラエルの人の視点で描かれるハマスの人質の家族のドキュメンタリーという前情報で少々身構えつつ観に行った。イスラエルの人が強く国のプロパガンダの影響を受けている印象を持っていたため、ハマスだけが悪として描かれたら観ていられないだろうと感じたためである。しかし主人公的な登場人物イェダフはネタニヤフ政権に対して強く批判的な考えを持っていた。そして当然ながら、イスラエルの中にも反戦デモをする人もいる(ただこれまで観たパレスチナ関連のドキュメンタリー作品などを見る限り、どうしても人質の安否が主眼にあり、パレスチナの人がいかに理不尽な状況に置かれているかまでは想像が働いていない人が多い印象を拭えていない…)。

この点で印象的なのは、人質となってしまったリアットや父イェダフはアメリカ国籍でリベラルな考えも持ち合わせていながら、パレスチナのそばのキブツ(農業共同体)で暮らし続けていたこと(=パレスチナの人々から奪った土地で暮らしていたこと)と、イェダフの兄でアメリカで暮らすジョエル(中東史の名誉教授)が2023/10/7以前からの構造的な問題から見つめ直すべきだと解かれるシーンである(ジョエルはかつてイスラエルのキブツに移住したが、そこがパレスチナの3つの村の上にできた場所だと知り、イスラエルを去った経緯がある)。そんな認識の差異により兄弟間で意見が対立するシーンも収められている。

さらにはリアットがラストに語る想いには少しの希望もある。人質の期間、パレスチナのある家族のもとで暮らすことになった彼女が、その置かれている苦境の実態を知り、直に人として接したことで出てきた言葉が聞けてよかった。

筆者
筆者

彼女は教師なんだよね。少しずつでも、内側からもイスラエルが変わることを願ってやまないよ。

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