『ヒンド・ラジャブの声』の概要
| 原題/英題 | The Voice of Hind Rajab |
| 製作年 | 2025 |
| 製作国 | チュニジア、フランス |
| 監督 | カウテール・ベン・ハニア |
| 時間 | 89分 |
| 配給 | スターキャットアルバトロス・フィルム |
2024年1月にパレスチナのガザで6歳の少女ヒンド・ラジャブとその家族、そして救助に向かった救急隊員がイスラエル軍に殺害された事件を映画化した作品。劇映画でありつつ、少女の声は当時の実際の通話の録音が使用されており、ドキュメンタリーな要素もあいまった構成になっている。
『ヒンド・ラジャブの声』の予告編
この映画で知ることができること
- 2024年1月29日、ガザ地区にて7人の市民が乗る車両が占領軍に銃撃される事件が起きた。
- 親族の遺体に囲まれながら生き延びた6歳の少女ヒンド・ラジャブは緊急通報の電話で必死に助けを求めていたが消息をたった
- ヒンドは12日後に遺体で発見された
- 彼女の乗っていた車両には355発の弾痕が残っていた
この映画の背景
- 物語の舞台となっているのは、ヨルダン川西岸地区にある人道支援組織「パレスチナ赤新月社」の緊急通報センターである
- この事件はSNSを通じて当時拡散されていた
- その投稿で影響を受けた監督が映画化を決意し、赤新月社やヒンドの母親(当日は家でヒンドの弟と待機していたため無事だった)との連絡を取り、リサーチの上事実に即したかたちで物語を構築している
またパレスチナに関するドキュメンタリー作品もイスラエルが引き起こしたこの常軌を逸した非人道的な状況を知る手がかりになる。
『ヒンド・ラジャブの声』の感想
悔しさ、怒り、無力感でどうにかなりそうだった。
映画はすべてパレスチナ赤新月社のなかでのドラマとして描かれ、ヒンド自身は出てこない。
しかしヒンドの通話音声は実際の通話記録のデータが用いられている。
未来があり、前途あるはずの子どもにこんなにも恐怖を味あわせる所業に怒りしかない。
しまいには殺害するというイスラエルの非人道的な虐殺をこれ以上とても許すことはできない。
2023年10月7日から2年で約2万人ものパレスチナの子どもが殺されている。
その一人ひとりに家族がいて救おうといた人がいたはずだ。
好きなことがあり、夢を持ち始めていたかもしれないし、幸せに暮らせる権利があったのだ。
この映画を観たら、日々更新されていく奪われた命の数を、とてもただの数字として流してしまうことはできなくなる。
是非できる限り多くの人に観てほしい。

