『ナウ・アンド・ゼン』の概要
| 原題/英題 | Now and Then |
| 製作年 | 2026 |
| 製作国 | 日本 |
| 監督 | 西原孝至 |
| 時間 | 72分 |
| 配給 | ML9 |
入管庁の難民認定制度・強制送還問題、そして100年前の関東大震災時に起きてしまった朝鮮人虐殺を通して日本の植民地主義、差別の歴史について問い直すドキュメンタリー作品。
『ナウ・アンド・ゼン』の予告編
この映画で知ることができること
- 日本の入管の非人道的な姿勢により死者が何人もでている
- その事に対し、多くの市民が声を上げている
- 仮放免当事者の声
- 大学生でありアクティビストである女性やその父であり200人以上の仮放免者の保証人を務めてきた牧師の男性の活動
- 1923年の関東大震災に乗じて日本人が起こしてしまった朝鮮人・中国人に対するジェノサイドを日本政府は公式に認めていないこと
- 一方でアーティストや映画製作者、市民団体がこの隠蔽されてきた歴史を広く一般に知らせるために活動をしている
- 若者たちによる市民団体「百年(ペンニョン)」や映画監督オ・チュンゴン氏の活動
この映画の背景
- 2023年6月に与党の賛成多数で改正入管法が可決された
- この改正により、難民認定を求める3回目以降の申請者が強制送還の対象になった
- 日本生日本育ちの子どもがいる家族が引き裂かれたり、人道的な配慮が必要な人の強制送還など人権侵害の恐れのあるケースが発生するリスクが有る
- 迫害の危険がある国へ送還することで、国際法違反になる懸念がある
- 新たに「通報の促進」が盛り込まれ、市民同士の密告、偏見や分断を煽ることになりかねない
- 2023年は関東大震災でジェノサイドが発生してから100年となる
- このジェノサイドは政府・警察ぐるみのデマが引き金となり、市民までもが朝鮮人や中国人を手にかけてしまった
- 犠牲者は6000人を超えると推定されている
『ナウ・アンド・ゼン』の感想
100年経とうともこの国には排外主義がはびこり続けているという事実を今一度突きつけられる作品である。
それにしても改めて知った日本の入管の非人道的な状況はどういうことなのか?
なぜ国が差別を容認し、このような非情な行いができるのだろうか。
一方で宮島親子のように、200人を超える仮放免者の保証人になったり難民支援団体を立ち上げたりと踏み込んで行動を続けてきた人たちの存在には大変勇気づけられる。
また1923年の朝鮮人虐殺の歴史を一般に広く広める活動をする若いメンバーによるグループにも希望を感じた。
自国の加虐の歴史を忘れてはならないし、まず学ばなければならないのだ。
いまこそ観るべき一作である。

筆者
差別はするな! 日本人ファーストとか差別だからな
関東大震災の虐殺を扱った『福田村事件』(森達也監督作品)もすばらしい映画である。また福田村事件に関するノンフィクション書籍もおすすめ。




